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ミャンマーのつぼ~ミャンマーから西垣がお届けするブログ

ミャンマー初、Blind Massage Networkが設立

ミャンマー盲人協会の定期会合が5月20日から22日までの3日間、ピンウールイン盲学校で行われました。各関係団体の現状報告や問題点等が発表され、現在2種類に分かれているミャンマー語点字をどうするのか等の話し合いが行われました。

また、今年はミャンマー全国に視覚障害者マッサージが普及し始めたことを契機に、様々な問題を解決するため、新たにBlind Massage Networkを設立することになり、その第一回会合が行われました。

国立チミダイン盲学校、国立サガイン盲学校、カワイジャン盲学校、ピンウールイン盲学校、ミャンマー盲人協会、BMDF(Myanmar Blid Massage Development Foundation)、Yume Eye、CHIKARA、GENKYなど各関係機関が参加。

資格なしでマッサージを生業にしている視覚障害者に対して、関係学校側が技術を確認、証明書を発給する。ネットワーク内で視覚障害者マッサージ師のプロフィールを管理、情報共有する。など提案され、今後は今回参加できなかった団体などにも呼びかけ、それぞれの団体が現状報告や問題点などを発表しお互い解決し益々の発展を促進するネットワークになりそうです。

視覚障害者の社会人向け医療マッサージ講座

今年2011年3月17日に開校式を行った「視覚障害者の社会人向け医療マッサージ講座。」
BMDF(Myanmar Blid Massage Development Foundation:ミャンマー視覚障害者マッサージ開発財団)とヤンゴンチミダイン国立盲学校との共同プロジェクト第一弾。
昨年末、BMDF代表と盲学校の校長とが視覚障害者を取り巻く環境改善に何が必要か話し合い、このプロジェクトが誕生しました。

ミャンマー国内には盲学校の存在を知らないで大人になった視覚障害者の人たちが多くおられます。今回はそんな方々をBMDFが全国の視覚障害者団体に呼びかけ面接を行い、23歳~37歳の男女8名を選抜。3ヶ月間の短期集中講座で医療マッサージで独立できるよう育てるのが今回のプロジェクト。
このプロジェクトは、BMDFから「筑波技術大学」や「よもぎの会」「ジャパンハート」などからの専門家に直接ご指導頂いたGENKY(ゲンキ)のマッサージ施術師を実技指導者として派遣。盲学校からは場所と点字の指導。食事代等その他経費はBMDFと盲学校の折半を運営しています。
また医療マッサージ指導者の育成を行っておられる専門家の塩崎先生も講師として参加して頂けることにもなりました。
選抜された8名全員ヤンゴン盲学校に住み込み、月から金まで朝9時から15時までみっちり実習を行っています。そして17時から19時までは点字の勉強。皆熱心に勉強し先日行われた中間テストには皆合格。今月末の卒業試験を目指し頑張っています。
すでに、マンダレーやバゴーなどのマッサージ店からは卒業後の彼らを雇用したいと申し出があり雇用先は全員確保できている状況にあります。

今回の8名のうち半分はヤンゴンのすぐ近く村出身。そんな地理的環境でさえ盲学校の存在を知られていない状況ですので、まだまだ視覚障害者の多くの方が点字もわからない状況で生活されているかと思います。
引き続きBMDFでは二期生、三期生と視覚障害者の社会人向け医療マッサージ講座を開催しつつ、シットウエイに新しくできた盲学校など医療マッサージを教えるシステムがない場所に出向き、短期で技術指導を行っていく予定です。

マッサージ店GENKY(ゲンキ)で視覚障害者医療マッサージの社会認知度向上と活動資金の捻出。そしてBMDFが視覚障害者環境改善事業実施。いいシステムが構築されてきています。
昨晩、専門家の塩崎先生と晩酌してました。今年の塩崎先生の課題は昨年同様に指導者育成に加え、全国盲学校向け医療マッサージ標準教科書の作成。そしてその先にあるマッサージの国家資格制度の設立など。ここの政府は指揮系統が明確ですので対応の速さには驚かされます。
「ミャンマーの視覚障害者社会の環境、すぐに隣国タイを抜きますよ!」と強い言葉で塩崎先生が話されたのが印象に残りました。