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ミャンマーのつぼ~ミャンマーから西垣がお届けするブログ

2006年から奨学金を出してきたティンさんがついに日本へ!

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2006年高校2年生の時から奨学金を出してきたティンさんがついに昨晩ミャンマーを旅立ちました。
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当時のブログはこちらです。2006年6月13日に記載していました。

奨学金制度始めました。

8年前ですね。当時、低所得者層が通う学校の校長と知り合い、その校長から紹介して頂いたのが彼女でした。

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毎学期成績表の提出を義務付けて、成績が落ちたら打ち切りますよ。と、葉っぱをかけて、そして難関の技術大学土木・建築学科に見事合格しました。
そして、そのときのブログがこちらです。2009年2月21日。
今から5年前ですね・・・。

大学生への奨学金

「父親が時計修理工で一日1000チャット。母親は職無し、大学に通い兄が製麺会社で働き月40000チャット。下には9年生、4年生、幼稚園の5人兄弟。月収7万チャットぐらいという、典型的な家庭です。」

一番上は兄ではなくて姉。ですね。このお姉さんが偉いんです。自分のやりたい学問の道をあきらめて、一家の家計を支えていました。とてもしっかりしているお姉さんです。
妹も難関看護大学に通い、弟も成績優秀者として何度も国から表彰されていて、将来有望な家族です。道端で時計を修理して生計をたてるお父さん、物静かですが笑顔が素敵な方です。出発での空港では、意外にサバサバしている姉弟とは違い、一人寂しそうでした。
写真右の女性も優秀な成績で大学を卒業したのですが、卒業と同時に結婚。
弊社でお金を出して、CADの勉強と日本語の勉強をしてもらったのですが、結婚生活の方を重視して最後の最後に脱落してしまいました。
もし彼女も続けていたら・・・。

ティンさんは東北の建設会社の社長に見初められて正社員として採用。
また仕事の経験もないのに高待遇で採用して頂き本当に感謝・感謝です。

新しいスーツケースに、ミャンマーの服。もちろん裸足。この姿で今頃は仙台空港に降り立った時間です。

1年後に彼女に会うのが本当楽しみです!

がんばれー!

 

日本でのミャンマー人の実習生の状況

ようやくクローズアップ現代が放送されたので、それを受けて現状を報告してみたいと思います。
先日日本へ行き、まともな受け入れ機関(組合)の方と情報交換しお互い驚きました。

日本側の方が驚かれたのは韓国やシンガポール、台湾の実態。
これについてはクローズアップ現代で取り上げられましたのでご参照ください。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3528_all.html

少し突っ込んで説明を加えると、
韓国は政府同士で労働者契約し(2007年のデモで日本人の方が撃たれた2ヶ月後!)着々と準備を勧めていました。ここ5年で15000人以上のミャンマー人が韓国に渡っています。ちなみにミャンマー人の実習生の年間数は150名前後。
急いで日本政府は法整備を進めていますが、そもそも準備期間が違います。

日本の組合が驚かれるのは韓国でのミャンマー人の手取り。8~10万円/月ほど稼げます。これは日本とほぼ同じか日本よりいい賃金。
少し前に同じくある番組で、建設会社が外国人はすぐ辞めて帰国してしまう。日本に魅力がない。とぼやいていましたが、おそらく旧態然の給料だから、他国で働く方が稼げるから帰国したんだと思います。

アジア全体の所得が上がっており、10数年前のアジアでの日本の立ち位置とは明らかに変わっています。ただこの変化がわからない中小企業の経営者がほとんど というのが今の最たる問題だと考えています。

【なぜミャンマー人がここ半年で実習生として日本へ渡航したミャンマー人のほとんどが脱走しているのか。】

これは私も驚き、なるほどと思いました。

要は、

現在、ミャンマー人を採用している会社は、中国人もフィリピン人もベトナム人も働かない仕事をミャンマー人に依頼しています。ミャンマーは賃金が安いので中国人やベトナム人よりも安くていいと思っている会社が多く、(ミャンマーでのミャンマー人平均賃金は8千円なので×5倍の4万円でも十分と思っている。)誰も働いてくれる人がいないからミャンマー人を呼んでいるという会社が多いそうです。

賃金が安くて 他の外国人がやらないような仕事。
しかも、その実態をミャンマーの送り出し機関は正確に伝えていない。
「昔より安くで日本へ行けますよ!」
と囁きます。

しかし、現実は厳しくミャンマー人労働者は逃げ出し、各地の入管はミャンマー人に対して厳しくなり、まともな日本企業はミャンマー人採用を見送る動きになっています。

もちろん悪い会社ばかりでなく、今年3年間で溶接工として働きミャンマーに戻り、弊社で実習生の実態を教える担当をしているミャンマー人もいます。

では、どうやってミャンマー人によい労働環境を提供してもらえる企業を探すか。

まずは、ミャンマー人がアジアでどの立ち位置にあるか。

中国人にもベトナム人にもフィリピン人にも勝てる部分がミャンマー人にもあります。

それらを理解して頂けその環境を作ってくれる会社。

そんな会社にどんどんミャンマーの方を派遣していければと思います。

ミャンマー人の特性を考えた結果、まずは技術ビザでの日本採用という依頼が増えてきています。技術大学など医学部と同レベルの難関でしかも5年間無事卒業できるまではテストで半分がふるい落とされるというところを潜り抜けたエリートであっても仕事がない、月給1万円で働いているという状況が今のミャンマーです。

地頭のいい人材が中小日本企業にも喜んできてもらえる状況があるのがミャンマー人材の一番の優位性ではないでしょうか。

ただ、この技術ビザはいわゆる受験の勝ち組しかいけません。受験で失敗しても(私もそうですが)、逸材は学歴だけではありません。技術生の延長線としての実習生という形で実習生派遣ができないか。
これが弊社の今目指すところです。
まずは技術大など地頭のよいミャンマー人を通してミャンマー人の仕事ぶりと能力の高さを示し、中国人やベトナム人の代わりではなく、ミャンマー人として正当な評価をして頂き、日本人の代わりとしてミャンマーの実習生が受け入れる環境ができばと夢見ています。

今月末、日本の大手信用金庫からミャンマーのセミナーを依頼されています。
ミャンマーの投資環境をお話するのかと思いきや、ミャンマー人の人材活用について話してほしいとの依頼。1年ほど前は中小企業でも海外投資ブームがあったが、今は景気が少しよくなり国内拠点を固めようとしたところ、求人しても集まらない。日本人の代わりとしての外国人雇用を考え始めている状況とのこと。

アジアも日本も大変革が起こり始めているようです。
乗り遅れないようにしなければ!