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ミャンマーのつぼ~ミャンマーから西垣がお届けするブログ

人材育成奨学計画と初等教育カリキュラム改訂プロジェクト

先日、日本政府とミャンマー政府との間で、総額6億2,000万円を限度とする無償資金協力「人材育成奨学計画」の交換公文の署名が行われました

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006079.html

これにより、最大48名の若手行政官等が日本の大学に留学することになり,将来ミャンマーの各分野で同国の開発課題の解決に貢献することが期待されるとともに,日本とミャンマーの相互理解や友好関係の構築に寄与することが期待されています。

日本政府から様々な支援がミャンマーに行われていますが、そんな中でも「初等教育カリキュラム改訂プロジェクト」は時間はかかるも国を変えるすごいプロジェクトと感じています。

ミャンマー語、算数、英語を始めとした主要5教科だけでなく、音楽や図工、体育、生活など全教科に及んでおり、日本政府として全教科を担当するのは世界でミャンマーだけだそうです。
これが実現したのは、当時の教育相が日本の大学に留学経験があったためトップダウンで決まったそうです。そういえば、工科大も日本に留学経験ある大臣が、効果大には実験設備が必要と日本式の工科大を目指し、様々な実験設備を導入しました。残念なのは両大臣とも他界してしまったこと。
工科大の実験設備は埃をかぶっていますが、教科書の方は着実にすすんでいます。

日本のNGOが地方の公衆衛生プロジェクトでは、「手を洗いましょう!」「せっけんを使いましょう!」とよくやっています。それが一番大切なのですが、できていない。しかしながら小学1年生の教科書にはそれが登場します。工場管理でQCを教えてる前に、まずQCはなぜ必要なのかと説明しないと、なかなかミャンマーのワーカーには伝わりません。

ある日本の医療系大学の方とお話する機会がありました。
世界中から医学を学びに留学されているそうですが、入学当初はミャンマーの医大生だけが、極端に学力が低いそうです。ところが入学後、急カーブでその能力差は埋まり、1年後には追い付き、追い越すのだそうです。

この教科書プロジェクトがもたらす未来のミャンマーは楽しみです。