2018年06月27日
1998年に出版されて以来、日本語教育の定番としてロングセラーの『みんなの日本語 初級Ⅰ 』(スリーエーネットワーク社)。この本のミャンマーにおける出版許可を、J-SAT社が取得し販売することになりました。
日本語を勉強する外国人の90%以上の人が利用するというテキスト。ミャンマーでは、残念ながらコピー本が氾濫し、多くの人が白黒コピー教材を使用しています。中には、日本語学校がコピー教材を販売しているところさえあります。
日本語を勉強する一番最初の教科書がコピーの白黒海賊版。この環境を是正できればと長年感じていたところのこの話。今回、スリーエーネットワーク社のご厚意で、『みんなの日本語』がミャンマーで低価格で販売できるようになったことから、一気にコピー版を廃絶することが可能なると考えています。
白黒コピー版は現在、2000~3000チャットで販売されています。それを、コピー版にはない解答集やCDが付き、しかもカラー。それで4000~4500チャットで販売できることになります。海賊版に100円プラスすればオリジナル教材になります。
実は私が1998年に独立した際、最初に行ったのは出版事業でした。
当時は軍政で検閲は厳しく、月刊誌とはいえ、申請から出版まで約2ヶ月かかり、検閲で削除されるところも少なくない、という時代でした。
出版事業を行った理由は、ミャンマーでは情報が限られ、国の発展には情報が必要と感じたためでした。残念ながら、経験も知識もなく、敢え無く出版事業は諦め、別の事業に切り替えたのですが、設立20年を経て、原点である出版事業が今回できることになったことは、感慨深いです。
しかも、前回は日本人として出版ライセンスは取得できなかったのですが、今回は情報省から特別に外国人名義で(初めて)出版ライセンスを頂くことができました。
ミャンマーでは日本語勉強する人が急増している中、まだまだ教材が少ない状況。これを機に、オリジナル日本語教育教材をミャンマーにて普及させていければと思います。