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ミャンマーのつぼ~ミャンマーから西垣がお届けするブログ

日本語が話せるミャンマー人が日本へ流出する現実

ヤンゴンダウンタウンでこんなチラシを配っていました。

「日本で勉強しながらアルバイトしよう!」

今年に入りミャンマー進出済み日系企業から日本語が話せるミャンマー人スタッフが日本に行くため退職する。代わりの人材を紹介して欲しい。という依頼が増えています。
時期的に日本語学校入学も重なってるからかもしれませんが、技能実習生が本格化しはじめ、各学校とも生徒集めに必死でミャンマー市場を強化しているからかもしれません。

以前に比べ日本語学校への留学のハードルも下がってて、ミャンマーの人も大変興味を持っています。特に地方の日本語学校では生徒数が昨年の2倍になっているところも少ないようです。
日本語に興味を持ってもらえることはうれしいことですが、あまり喜べない事情があります。

いくつか日本語学校を訪れましたが、生徒や先生らの話を聞いていると日本語学校へ留学を考えているミャンマー人の期待があまりにも現実離れしているように感じます。

「日本語学校に留学したら仕事ができお金が稼げる。」

留学ビザでの労働は週28時間などはこのパンフレットにも書かれておらず、どうみても、日本に行けて稼げる!ということがメインのちらしです。
外国語大学日本語課出身の弊社スタッフに聞いても、在学中にもこういった話はよくあって、それで日本へ行った友達も多いとのこと。
実際手元にいくら残るのか という現実はほとんど伝わっていないようです。

バブル期に多くのミャンマー人が日本へ出稼ぎに行っていたこともあり、帰ってきて車を買った話などを聞いているからかもしれません。またミャンマーにある日本語学校の多くは、ミャンマー国内では格安な授業料なので、日本にある日本語学校や大学に紹介した紹介料(一人当たり10~15万円ほど?)が運営する重要な収入になっているところも多く、あまり伝えていないからかもしれません。
(ミャンマーではミャンマーの日本語学校やブローカーが手数料を加える学校もあるようで、留学の個人負担額は100万円を超えることも少なくありません。)

日本語学校だけでなく、受験者が少ない地方大学や短期大学へ行く場合、ホテル・観光専門学校などへ行く子もいます。

高卒の子が行くならわかりますが、大卒で、しかも外国語大学日本語課卒業であったり、すでに日本語検定試験でN2やN3を取得済みである程度日本語が話せる子など、日本語学校に行く必要のないのではと思われるような子も行っているようです。
直接有名大などに行けばと思うのですが、少し働いてから・・・なんて考える子がいて困っていると、ミャンマーの外大日本語課の先生は嘆いていました。

今月末には、日本に留学・滞在中のミャンマー人対象にした就職フェアというイベントがあります。昨年も弊社はブースを出し、今年も出すのですが、昨年の例でいうと、企業に紹介できるミャンマー人材が少ない。という現実がありました。

日本語学校やホテル・観光専門学校を2年通っただけで日本語はまあまあ話せるも、仕事経験はコンビニなどだけ。給料は日本人同様。ミャンマーには帰りたくないし、帰っても10万円以下では帰らない。(かなりのお金を使ってしまい、でも手元には残っていないので帰るに帰れない)

しかも年齢は20歳半ば。日本語学校の後、地方大学に通ってたりすると、ほとんど30歳近くで仕事経験なし・・・
正直、紹介できる企業があるか厳しい状況です。

今は数年前と違い、ヤンゴンでも日本語が話せれば就職が容易な状況です。給料は日本ほどではないにしても、仕事のキャリアは確実につきますし、手元に残るお金としては、数年後にはミャンマーの方が高いことも予想されます。

今、多くのミャンマー人が日本に留学しています。

日本語学校へ留学した場合の予想図
大学へ留学した場合の予想図
ヤンゴンの日系企業で働いた場合の予想図
実習生で日本へ行った場合の予想図
在留資格証明書を取得して日本へ行った場合の予想図

日・緬双方の日本語学校経営者や大学関係者、組合や企業など、日本でミャンマー人を受け入れる方々には、それぞれの情報をきちんと伝えて欲しい。

と切に願う今日この頃です。